特集インタビュー
 複業の時代を積極的にとらえる
  医師 MYさん
   岡山県出身、京都府立医大卒。

 医師でありながら、
 モデル、事業家、タレント、作家、美容講師など、複数の顔を持つMYさん。

 「私、体力が無いんです」
 そう話す、彼女のエネルギーはどこから来るのでしょうか?

 そんな彼女が考える「複業の時代」とは?
 仕事を選ぶ基準とは?

 そのあたりを中心にインタビューさせていただきました。
 
 ■ 人が人を呼ぶ複業の「つながり」
Q   こんにちは、今日はお忙しい中、時間を作っていただき、ありがとうございます。 
 さっそくですが、まず最初に、MYさんが現在行われている職業を全てお答え願いますか?
   
 医師
 モデルに向けた美容講座の講師
 週刊誌のグラビア
 作家(2010年1月に1冊出版、2010年10月2日に1冊出版予定)
 スポーツ紙や週刊誌などの連載(秋以降)
 直販ビジネスのマーケッター
 TV出演
 などです。
 ラジオのパーソナリティーもしていましたが、現在は中断しています。
   
Q   ご両親も病院を経営されてるとお聞きしましたが?
   
 はい、両親共に医師です。
 父は内科専門の医院の院長をしており、
 母は、フィットネスを併設した老人保健施設にて施設長をしています。
 母は、女性医師バンクの岡山支部会の仕事をしたり、学会の座長をしたりもしています。
   
Q  一般の職業に比べて、収入的に恵まれているにもかかわらず、なぜそれだけ様々な仕事に関わっておられるのですか?
   
 なんででしょう(笑)

 連載やグラビア、本の出版は、取材依頼が来て、マネージャーをしていただいている方がスケジュール管理してくれてます。

 モデル養成の美容講座は、モデル経験を生かして、是非、モデルの卵に、ビューティー講座を開いてほしいとオフィスの社長から頼まれました。

 自分のやりたいこと、やってみたいこと、興味があることに関わり続けたい、やりたいことを生涯の仕事にしていきたいと思っているうちに、向こうから仕事の依頼が来るようになりました。

 複数の仕事に携わっていると、さまざまなジャンルの知り合いが増え、そこから人が人を呼んで、より自分にとって「合っている」仕事や、やりがいを感じる仕事、やりたいと思う仕事ができるようになりました。
 収入が安定しているから、と、女医の仕事に終始しているだけだったら、これほどたくさんのお仕事に関わらせていただくことはできなかったと思います。
「真夜中過ぎ 東の空から」
 大学時代、mixiから話題になり、出版されたデビュー作。
 5つの短編からなる物語は、彼女の才能を感じさせるに充分な内容だ。
 ■ 複業スタイルは今後ますます広がっていく









「女医から学ぶ あなたの魅力が10倍増すセックス」
 大ヒットしたセックス教本。内容の構成が女性視点でたいへん為にまります(笑) 「次はまた小説が出したいですね」
Q  なるほど。
 【セブンポケッツ】という言葉がリーマンショック以降のアメリカで流行語になっています。
 以前の日本は、ひとつの企業に就職すれば、定年までの収入が確保される【終身雇用】が主流でした。
 しかし、今はひとりの人が複数の職業に就くことが当たり前になりつつあります。

 その【複業の時代】について、MYさんはどう感じられていますか?
   
 現在、不景気やデフレ・円高が進む中、従来の日本の経済システム自体が崩壊しつつあります。そんな中、「旧式」の雇用形態にしがみついていては、自分や家族の生活の安定は保証されません。

 どんな職業に就くかは、その人その人によって違うと思うし、複数の仕事をしているから絶対大丈夫、というわけではありません。

 けれども、今自分が携わっている仕事の内容や収入の高低に関わらず、プラスアルファで、もう1つ別の収入源となりうるキャリアを持っているかいないかということは、「安定」「安心」という面で、随分違うのではないでしょうか。

 人生に刺激やスリルを求める人がいたり、平凡だが安定した暮らしを求める人がいたり、世の中にはさまざまな価値観の人がいます。 

 しかし、収入源となるキャリアが1つしかなければ、もしそのキャリアを何らかの理由で失ってしまえば、明日からの生活は、非常に不安定なものになります。

 それは、刺激的でもスリリングでもなく、「生活していけない」という状況を生みだしてしまうだけです。

 その意味で、「複業」は、これからの日本の新しい社会との関わり方として広がっていく考え方だと、私は思います。

   
Q 同年代の男性にメッセージを送るとすれば?
   
「男は家族を養って、一家の大黒柱になるもの」
 と、昔からよく言われますよね。
 そのために、いい大学をでて、母体の大きな企業に就職して……というのが、従来の考え方でした。
 けれども、大企業の倒産やリストラが、毎日のように報道されている今日の日本では、自分の勤務している会社を信じて胡坐をかいていると、ひどい目に遭いかねません。
 「一家の大黒柱となるため、しっかりとした職につかなければ」と思っている人ほど、企業のネームバリューや社会的地位にしがみつくのではなく、複業をしていくことこそ、新しい「大黒柱」の形ではないでしょうか
   
Q  同年代の女性にメッセージを送るとすれば?
   
 どんなに、「男女平等になった」「雇用機会均等法」なんて叫ばれても、男性と同じ舞台で仕事をすることは、女性にとっては、男性が考える以上に大変なこと。

 私は医師ですが、やはり、従来は「男の仕事」であった医師の業務は、女性には非常に厳しい仕事です。
 体力的にも、女性は男性にはかないませんから。

 けれどもそれは、「だから女性は家に閉じこもるべきだ」「専業主婦になるべきだ」という意味ではありません。 
 複業という新しいビジネス形態が浸透することで、実は、逆に女性にとって働きやすいビジネスが増える、ということになります。

 複数の仕事を自分の収入源とすることで、自分に一番合ったビジネスが選択できるだけでなく、自分のペースで仕事を続けられる。
 「この仕事しか私にはないから」と、焦ったりすることもなく仕事に臨める。
 特に、結婚・出産によって就業できない期間がある女性の方は、複業していれば、収入的にも安定するだけでなく、落ち着いて「職場復帰」ができると思います。

 複業という新しい形態は、「朝会社に出勤して、夕方帰る」という従来の勤務イメージを、いい意味で壊してくれると、私は思っています。

 複業が浸透しつつある現在、既に、自宅にいながらできるビジネスや、特別な技術・能力を必要としない、誰でも簡単に始められるビジネス、というものが、徐々にメジャーになりつつあります。

 自分にとって、今一番必要なものはなにか。
 自分にとって、複業をすることで得られることはなにか。

 男性女性を問わず、今一度、考えてみてはいかがでしょうか。
   
Q  今日はお忙しい中、質問にお答えいただき、本当にありがとうございました。
 インタビューを終えて
 日本の若者の大きな弱点のひとつに【起業家精神の欠如】ということがよく指摘されます。
 アメリカでは、例えばハーバード大を優秀な成績で卒業した人が、最初から公務員や会社員を希望することはあまりありません。
 リスクを背負ってでも起業するのが一般的です。
 それに比べて、日本の東大卒の若者は上級公務員や大企業の正社員という、一見安定の道を望む人が多いのは事実です。

 それは【終身雇用】【年功序列】という特殊な時代が長く続いたために、幻想を未だに信じ続ける親の世代の責任とも言えます。
 起業家を応援する現実的なシステムをいつまでも整備しようとしない国にも責任はあります。
 公金(税金)によって救済されたにも関わらず、融資原則を変えようとしない金融機関の体質にも問題はあるでしょう。
 成功よりも失敗を徹底的に報道するメディア、それに教育にも問題はあるかもしれません。

 しかし、何かのせいにしていたのでは、いつまでたっても何も変りません。

 少々の失敗や恥をかくことを恐れず、果敢に挑戦する姿勢こそが、今の日本人に必要な精神ではないでしょうか?
 「失敗したら批判される」
 「人からどう思われるだろう?」
 「自分がちょっとでも損するのはイヤだ」
 「傷つくのが怖い」
 そんなどうでもいいことに縛られながら人生を終えることこそ最大の不幸です。
 そんなことを気にしながら生きてる姿こそ、もっともみっともない姿です。

 好きな人に告白して断られるのが恐いからとためらっていたのでは、一生有意義な恋愛ができないのと同じです。

 そんななか、何事にも勇気をもってまっすぐにチャレンジしようとするMYさんを観ていると、
 
「21世紀の日本はまだまだ明るい」
 そんな気がしました。

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